あのころ

  

  あのころ

  この道の突きあたりには

  水路が小川のように流れていた

  夏

  フナとウナギが面白いようにとれ

  親父が

  ウナギの蒲焼をつくってくれた

  骨もすてずにこげ茶色に焼いてたべた

 

 

  麦をまき それを刈る

  すぐあとに稲を植え それ刈る二毛作

  秋

  焚き木づくりに

  斧をもち 縄を背負い

  この道をとおり兄とのぼった山

  からっ風が吹いても

  この道を走りまわっていた

  

 

  木の実の落ちる音を聴きながら

  眠りにおちた

  ふるさとよ